
?首を前後に傾けると後頭部に活動電位の平均パワーの高い部分が出現する。
?瞬きすると、前頭部のパワーが高くなる。
?眼球が動くと、前頭部のパワーが大きくなる。
?歯を食いしばると、側頭部に強いパワーの出現がある。
?首を振ると、後頭部に強いパワーが現れる。
等である。
検討の結果、瞬きに関しては比較的低い周波数範囲であるので、低周波数(0−4Hz)をカットするフィルターによって除去できる可能性の高いことが分かった。また、歯を食いしばったときの雑音は、周波数範囲は非常に高い領域に偏っているため、高周波カットのフィルターによって雑音を除去できる。この他の雑音に関しては,計測結果からの除去は難しいと考えられる。しかし、フィルターによって低周波、高周波を濾波することは信号に含まれる必要な情報をも同時にカットする可能性があるので得策ではない。従って、動揺暴露時の脳波計測結果の解析においては、できるだけこのような雑音の入らない部分を選ぶ必要がある。
また、計測される頭皮上の誘発電位が脳からのみのものであるとの理解をやめて、動揺刺激に暴露したときの身体の反応による筋電位をも含む脳波の変化の様子を計測すると理解する方が妥当であるかも知れない。

図2.2.3-10 脳波計測用電極の貼付位置および単極誘導
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